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頻尿で困る時に備えて、即効する予防薬がある!

掲載 m3.com「資料共有ひろば」

患者の要望に沿った治療設計でQOLが向上
石井泰憲(医療法人社団すみれ会 石井クリニック)

 2011年10月21日に行われた第76回日本泌尿器科学会東部総会で、「旅行、観劇などの頻尿・尿意切迫に対するロキソプロフェン(ロキソニン)の予防頓服の即効性効果の検討」と題して発表した内容の一部を報告する。
  過活動膀胱(OAB)の治療は、1日中効果が出るように設計されることが多い。しかし、旅行や観劇など「必要な時だけ」症状を抑えられればいいと要望する患者もいる。今回、オーダーメイドの治療法として、ロキソプロフェンやイミダフェナシンを予防的に頓服させ、患者が希望する時間帯のみ頻尿・尿意切迫を抑えることができた。

「必要な時だけ」の治療法
  車、電車、バス、飛行機などでの旅行・出張や、会議、映画、コンサート観劇などは、途中で排尿に行きにくい状態で、困っている患者も少なくない。限られた時間・条件で起こる頻尿、尿意切迫だけでも抑えてほしいと要望される患者に対処できる治療法は、QOLを向上させるので注目すべきである。現在、1日中を通じてのOAB症状の全体的な治療ばかり注目されているが、必要性のある時間だけ即効性のある対処法はまだ確立されていない。
  そこで、頻尿・尿意切迫が起きては困る時間帯を有する症例を対象とし、困る時間帯の前に有効だと考えられる薬、すなわち(1)尿の産生を少なくする薬、(2)膀胱容量を増加させる薬が有効ではないかと考え、予防的に頓服させ、その有効性を検討した。尿の産生を少なくするロキソプロフェン(ロキソニン)、膀胱容量を増加させる薬で、短時間作用型OAB治療薬のイミダフェナシン(ウリトス、ステーブラ)、精神安定剤など、狙った時間帯だけ尿意を抑え、排尿から解放できると考えられる薬で試行錯誤した。

過活動膀胱の即効性の予防的頓服
 結果は、ロキソプロフェンに即効性、有効性が最も認められた。いくつかの症例を紹介する。

 【症例1】41歳、女性。観劇に行く際、60分ごとの尿意切迫、頻尿で席を外す羽目になり、参加しづらくなった。ロキソプロフェン60mgを観劇の30分前に投与したところ、4時間、尿意なく、安心して最後まで聴くことができた。
  【症例2】36歳、女性。車に乗ると1時間持たない頻尿で、特に高速道路は渋滞でトイレに行けず、遠方のドライブに参加できず困っていた。ロキソプロフェン60mgを乗車30分前に投与したところ、排尿間隔が40分から180分まで長くなり、尿意なく安心して送迎バスに乗車できた。なお、ドライブに行かない日は、トイレが近くにあるので、頻尿でも困っていない。ロキソプロフェンは当日のみ、予防的に頓服している。
  このように予防的に頓服することで、20例中15例に頻尿・尿意切迫を防止する作用が認められ、排尿間隔の延長に効果があると考えられた。また、副作用は認めなかった。たとえ頻尿でも、常時は頻尿に困ってない場合は、毎日服用する必要はなかった。困るその時、その日の都合に合わせた予防的頓服だけで十分、即効性効果があった。

患者の要望に沿う処方を!
  過活動膀胱の多くはまだ原因不詳の疾患で、抗コリン薬、β3刺激薬だけでは、患者の要望に合った効果が出ない場合がある。保険適用の投与法、時間、病名に厳密に縛られすぎると、対応できないことがある。排尿日記での排尿状態と、患者の要望の把握を優先すべきである。その上で薬の作用機序を熟慮し、疾患の病名に合わせて治療するだけでなく、それぞれの患者に合わせたオーダーメイドの治療を工夫することで、良い結果を得られると考えている。
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