埼玉県さいたま市浦和区にある泌尿器科と漢方のクリニック 石井クリニック

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尿失禁について

恥ずかしがらずに!たくさん尿失禁の患者さんが来てますよ。

尿が自分の意思と関係なく漏れるのを尿失禁といいます。尿失禁は女性に多く、10代の女性で15%、20代で20%、30代で31%、40代で48%、50代で46%、60代で37%、70代で31%というデータがあります。平均すると、全女性の実に31%に尿失禁があることになります。
もともと女性の尿道は、男性に比べて短くまっすぐなので、ちょっとした衝撃でも漏れやすい特徴があります。

それに加えて、膀胱、尿道、子宮、膣、直腸などの臓器を支える骨盤底筋群という筋肉が、妊娠、出産、肥満、便秘などが誘因となってゆるんできます。ピンと張っていた骨盤底筋群がゆるんでくると、膀胱や尿道が下がり、尿の出口の括約筋の締まりが悪くなってきます。そうした時、立ち仕事などで腹圧がかかると、膀胱が圧迫されて、尿が締まりの悪くなった括約筋から漏れてしまうのです。

尿失禁と一口にいっても、原因は一様ではありません。女性では、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流性尿失禁の3つのタイプが大半です。

①腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁1 腹圧性尿失禁2

このうち、女性の尿失禁の60~70%を占めているのが、腹圧性尿失禁です。咳、くしゃみ、重い荷物の上げ下ろし、大笑いなど、お腹に力が入ったときに尿が漏れてしまいます。骨盤底筋群の弛みが原因です。骨盤底筋強化訓練、干渉低波治療、薬物治療、膣内イントロル留置で効果があります。効果がない重症例は手術になります。

②切迫性尿失禁

切迫性尿失禁1 切迫性尿失禁2

膀胱が十分にふくらまないうちに、中に少したまっただけで、強い尿意を感じ、トイレまで我慢できずに、間に合わなくて漏れてしまうのが切迫性尿失禁です。脳、神経の異常もありますが、ほとんどは原因不明です。最近、尿失禁がなくても、尿意切迫感があるだけで、“過活動膀胱”と定義されました。薬物療法は新薬が開発され、有効例がふえました。膀胱訓練法、干渉低波治療も効果があります。

①腹圧性尿失禁

尿が出にくいのにタラタラ漏れるのが溢流性尿失禁です。膀胱に尿がたまりすぎて、溢れ出るようにして、尿が漏れてしまうのです。排尿困難をおこす疾患があることが考えられます。

肥満が気になりはじめたころから、尿失禁がはじまったという女性も少なくありません。腸や内臓のまわりについていた脂肪が、膀胱や子宮を押し下げて、尿漏れをおこしやすくするのです。体重が1年で10㎏以上増加されているようですね。尿失禁の原因の1つになって可能性があります。食生活をみなおして、運動を心がけてください。